この記事は MicroAd Advent Calendar 2022 の1日目の記事です。
マイクロアドの京都研究所からリモートで働いている基盤開発グループの永富 id:yassan0627 です。
今回は、11/21-22開催された CloudNative Days 2022 に行ってきたので参加レポートを書いてみました。
イベントページ
event.cloudnativedays.jp
ツイートまとめ
togetter.com
- マイクロアドとCloud Native(Kubernetes)
- Co-located ハンズオンについて
- 気になったセッションについて
- オフライン参加して良かったこと
- さいごに
- インフラエンジニア募集
マイクロアドとCloud Native(Kubernetes)
マイクロアドではコンテナは開発・本番問わず広く利用しています。
主にDocker Composeでの利用が多いですが、一部ではコンテナオーケストレーターにDocker Swarmも利用しています。
また、Docker Composeでは手に余ってきたので、コンテナオーケストレーターとしてのKubernetesの利用と複数のKubernetesクラスタ管理のためのRancherの導入も進めています。 一部制限事項はあるものの、少しずつ利用範囲を広げようとしています。
制限事項があるのは、以下の過去のブログで挙げたとおり、マイクロアドのIP Closネットワークの構成でKubernetes(主にCNI)に完全に対応させるために課題が残っているためです。
また、サーバもLeafとBGP接続するようにしたため、コンテナを利用する場合やOpenStackのような仮想マシンをホストするサーバについて、 さまざまな問題が発生しました。
IP Closネットワークに作り変えた話 - MicroAd Developers Blog
そのあたりの対応については、またの機会に。
Co-located ハンズオンについて
メインセッションの前の日は、以下の通り、様々なハンズオンが実施されていました。
今回、私はその中でも「Kubernetes Upstream Training」に参加しました。
トレーニングでは、KubernetesのUpstreamへの貢献方法について、コミュニティの説明や具体的にPR作成してマージされるまでを体験出来ました。
コミュニティへの貢献方法について、色々と説明頂きとても参考になりました。
Kubernetesだけでなく、その他のOSSについてもコミュニティへの貢献するために応用も効きそうなので参加出来てよかったです。
トレーニング自体は以下で公開されていますので興味のある方はご覧になってください。
気になったセッションについて
eBPF Superpowers
こちらはキーノート枠で、Isovalent社のTechnical Community AdvocateのTracy P Holmesさんによるセッションです。 全編英語ですが、非公式翻訳が以下の通りあるので当日はとても助かりました。
セッションではeBPFとは何かから始まり、eBPFとKubernetes・Ciliumがどう関係してきて、どのような効果を発揮するのかを分かりやすく説明していてとてもおもしろい内容でした。
Kubernetesのnamespaceを越えて: namespace跨ぎのsnapshotからのvolumeの作成の今と未来
こちらはKubernetesのNamespaceとボリューム機能について説明した後、Namespace間のデータ共有が課題となるケースを紹介していました。
また、その課題の解決のために、以下のKEPを挙げて、どのように取り組み解決していくかについて説明がありました。
セッション前はどこに課題があるのか検討がつかなかったのですが、なるほどな課題でした。
スライド :はじめよう Kubernetes PersistentVolume のバックアップ
バックアップ・リストアに関する基本的なところをしっかり抑えた上で、Kubernetesでバックアップ方法や課題も掘り下げてた内容でした。
また、Kubernetesだけでなくステートフルなシステムをバックアップ・リストアするにはどうしたら良いかが分かる良い発表でした。
スライド :Cloud Native Kafka - 分散データ基盤がクラウドネイティブを目指すということ
Kafkaについて基本的なしくみなどを説明し、合意形成に必須なZookeeperへの依存をなくすための取り組みについて以下のKIPを挙げて説明していました。
- KIP-405: Kafka Tiered Storage
- KIP-500: Replace ZooKeeper with a Self-Managed Metadata Quorum
- KIP-595: A Raft Protocol for the Metadata Quorum
- KIP-630: Kafka Raft Snapshot
現状、KRaftはv3.3でGAしており、新規クラスタではZookeeperは不要になっています。ただし、Zookeeper→KRaftへの移行をサポートするのは v3.5からの予定で、Zookeeperが廃止されるのはv4.0からの予定だそうです。
詳しくは、 KIP-833: Mark KRaft as Production Ready を参照ください。
スライド :SLO策定までの道とChaos Engineeringを使った最適解の見つけ方
セッション前はSLO策定とChaosEngineeringが結びつかなかったのですが、なるほどな内容でした。
紹介していた Chaos Mesh は面白いツールなのでKubernetesを利用しているシステムでのSLO策定に利用できそうです。
オフライン参加して良かったこと
会場にはディスカッションボードがあり、それをネタに雑談するなど出来る点が良かったです。 また、登壇者を見つけてその場でホワイトボードを使って質問したり出来たのがとても良かったです。
他にも1日目のセッションの後にクイズイベント「よるイベ!」がありました。
twitter.comクイズ大会始まるよ〜 #CNDT2022 pic.twitter.com/oij7YZZ1xe
— 一般男性 a.k.a 陽だまりの草原 (@aabbss757) 2022年11月21日
上手いこと正解出来て、KubeCon NA 2022のTシャツをGetしました🎉
twitter.comわーい #CNDT2022 pic.twitter.com/9mQTe4ko37
— やっさん🍶 (@yassan168) 2022年11月21日
また、イベント会場でOSSのステッカーやノベルティもGetできるものオフラインならではでした。
1日目のイベント後に懇親会がなかったのは残念でしたが、イベント参加者と一緒にご飯を食べに行って色々と話が出来るのはオフラインならではで楽しいです。
さいごに
今回挙げたセッション以外にも多種多様なセッションがあります。
セッション動画はSessionListのTimetableからセッションを選択して「Permalinkを表示」を押下すると遷移できるので是非ご覧ください!
※イベント登録は必要です。
次回は来年3月に開催予定という事なので、今からネタ仕込めばCfPだせるかも?
以上、MicroAd Advent Calendar 2022 の1日目の記事でした。
インフラエンジニア募集
現在マイクロアドでは、サーバからネットワークまで幅広く経験できる環境で、大規模なインフラを共に作り上げていくエンジニアを募集しています。
仮想化・コンテナだけでなく、サーバ・ネットワーク・DB、データ分析基盤など幅広い業務に携わることができます。
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